かこさとしさん
加古里子さんがお亡くなりになり、私の子供時代の思い出もセピア色に変色したような時の流れを感じます。
かこさんの絵本で特に好きだったのが、
赤ちゃん用に作られた小さな絵本。
くまちゃんシリーズです。1巻から4巻まであり、絵の一つ一つに物の名前が記されていて、細かいイラストと温かそうなくまちゃんの家族。眺めているだけで、ワクワクしました。初めて見たのは、従兄弟の家で小学生3年くらいでしたが、赤ちゃんでなくても夢中で何度も読み返しました。
ラッキーな事に、妹が9歳離れていたので、その後、妹用にと親が買ってきたので、いつでも手に取って、眺めていた記憶があります。
息子が生まれたときに、その本がまだ書店に置いてあったので、即購入しました。
息子よりも私用に今でも大事に保管しています。
次に好きな絵本は、虫歯のミュータンスが出てくる本。確か子供用の科学絵本だったと思います。本に出てくるミュータンスよりも、虫歯だらけの子供の絵が怖くて、つい見入ってしまいました。
幼稚園で働いている時に、自閉症と診断された女の子とこの本を眺めていました。
その子は、歯を磨く事が苦手で口の中は虫歯だらけでした。
この本を見て、いきなり洗面台に走って行って何をするのかと思えば、水で虫歯になっている黒い所を指で一生懸命こすっていました。
それだけ衝撃的な絵だったのでしょう。
だるまちゃんシリーズでは、断然カミナリちゃんです。
雷の国にお呼ばれして、沢山のおもてなしを受け、最後にお土産までもらって盛りだくさんに樂しい絵本です。
雷の国にある物すべてがカミナリ型で、その細かいところがまたワクワク感を盛り立ててくれます。
かこさんの描く食べ物の絵は、どれも写真で見るよりもおいしそうに見えて、味までしてきそうです。
食べている登場人物が、ニコニコ楽しそうにホンワカした雰囲気があるからなのでしょう。
かこさんの絵本の世界のような、平凡だけど明るくて、一見呑気な家庭が昭和の時代は一般的だったんだな…と思います。
電車の中でこのブログを書いて、ホームに降り立った時、隣のホームを急行電車が通過していきました。まるで一つの時代がサーッと通り過ぎていくようで、一瞬喉の奥がキュっとしました。